臨床工学技士損害賠償保険の提案
昨今の医療過誤・事故を見ると、アメリカ社会の様に病院への賠償だけでなく医師、看護、技士等の個々の医療スタッフにも賠償請求される、訴訟社会への方向性が
明らかとなってきました。 従来の医師とその補助を行う看護婦の関係での損保の形態と、新しい領域を担う臨
床工学技士業務は医師の責任範囲の及ばない領域が広くあり、また機器の専門教育は
医師等は受けていないことから、生命維持管理装置領域での医療事故には必ず、臨床工学技士の責任が少なからずつきまとうこととなります。 特に、今後のチーム医療は、更に進化していくことと考えられます。 従来の「依存型分業」は医師や看護婦では対応出来ない機器を臨床工学技士が受け持っており、その業務責任の大半は医師の責任の下で包括される医療形態でした。しかし、今後は病院の責任、医師の責任、技士の責任、看護婦の責任を明らかにする社会構造となり、チーム医療の形態は、「自立型分担」となり、各職種各々が自ら
の責任の下にチームを構成することになると考えます。また、責任の重さは換言すると社会的地位の評価ともなります。これらのことから、何時、何処で起きるかわからない、業務上の訴訟問題に対して、自らで防衛することが必須であり、臨床工学技士の損保の必要性は臨床工学技士法制定時に課題として検討して参りました。そしてようやく、数社の保険会社から臨床工学技士損害賠償保険の提案があり開発の目途が立ちました。しかし、一方では医療機器の事故で現在、臨床工学技士が取り調べ中の事件が起こっており、もっと早い時期に開発していればと残念でなりません。この損保の概要は、団体保険であり当会会員の臨床工学技士だけの特約が条件であり、会費から保険掛金が支払われます。よって、会費額は従来の年会費額に年間保険料が上乗せされることになります。その保険料は現在保険会社からの提示では月当り
300円から400円となります。当会の理事会では、前述の様に一刻も早く全会員が加入すべきと考え、平成13年度総会に理事会提案させて頂く予定です。なお、代議員会及び総会当日には参考人として保険会社からのプレゼンも予定しております。各位には、我が国の社会構造改革の進展に伴い、医療社会も大きく変わることをご理解頂き、臨床工学技士の社会的な地位向上のためには、自らの技術研鑽と業務の分担責任を負うことです。これには臨床工学技士損保へ全員が加入しなければならないことを、すべての臨床工学技士へ周知徹底を図って頂きたくお願い申し上げます。なお、損保の資料等につきましては、早々に準備しますので別途送付申し上げます。また、保険契約書類や集金業務等に関しても後日ご報致します。
日本臨床工学技士会
会長
川崎忠行
