3.人工心肺の安全対策について
松戸市立病院 ME室
〇山崎久善
【始めに】近年の医療技術・医療機器の目覚ましい発展により、人類が得られた恩恵は計り知れないものがある。しかしその反面、新聞等を賑わしている薬の処方ミス、機器操作の誤り、診断ミス、処置ミス等の人為的な医療事故・過誤によって命を落とす人も数多くいる。
1999年に発表された全米科学アカデミーによれば、医療事故や過誤によって年間44,000人〜98,000人の人が亡くなり交通事故死の43,000人やエイズ病死の17,000人を超えていると報告した。
【医療事故・過誤に関連して】
@免許証・資格の意図は車の免許証は、事故を起こさないように教育された者が資格を得て車を運転することができるが、それでも事故は起きる。原因のほとんどは、あらかじめ知っている注意義務を守らないために起きている。スピードを出せば車は止まれない、信号を守らなければ危険は増す等である。人工心肺の運転に際しても医学的知識や危険回避の教育を受けたものに免許証と資格が与えられている。本来あってはならないことだが事故は起きている。原因はやはりあらかじめ知っている注意義務違反が多くを占める。薬を間違えて投与したり、酸素添加が少なかったり、血液中に大量の空気混入があったり、回路が外れたり壊れたりすれば人の死につながると言うことを熟知しなければなりません。
A事故を起こしやすい環境はあるか車の運転手の中にも事故を起こしやすい人がいる。
その割合は、プロのドライバーより一般人に多いのが通説である。日本では、人工心肺業務を受け持つ技士はほとんどが専任業務ではなく他の仕事も併用する掛け持ち業務であるがために、年間の症例数・複雑心疾患等の人工心肺経験は少なくなる。
B注意義務の認識と実践
人工心肺装置を運転するに当たって装置の保守点検、薬剤添加、機器操作の基本的な注意をおろそかにしないことです。私の経験を通して、一般的な心臓手術における人工心肺装置運転時のヒヤリ・ハットした経験と安全対策を報告します。