針刺し事故に関するアンケ−トの報告
千葉県臨床工学技士会
会長   松金隆夫
調査委員長   三浦國男
【調査目的】
針刺し事故の現況を把握・分析し問題点をさぐり、今後の対策を考えるための資料とする。
【対象・方法・期間・回収率など】
千葉県臨床工学技士会に加入している会員の内287名を対象に、
「針刺し事故に関するアンケ−ト」と返信用葉書を同封し郵送した。
設問は18項目で、アンケ−ト期間は2002年7月15日〜8月20日までとした。
回答は112名から得、回収率は39%であった。
【結果】
アンケ−トの設問は以下のように構成した。
・個人情報、勤務先について      1)〜3)
・施設の規模・能力、技士業務について 4)〜10)
・針刺し行為・事故について      11)〜16)
・感染について  17)〜20)
・事故対策について  21)〜26)
1)性別
性別構成では男性が81%、女性が19%であった。
4年前に行った平成10年度技士実態調査と比較したところ、女性が4%ほど増加していた。
2)年齢構成
年齢構成では各年代ごとに平均していた。年代が若いほど女性技士が占める割合が高かった。
3)経験年数
4)勤務先
所属施設は私立病院が72%ともっとも多く、次に医院、
その他公立病院の順であった。私立対国公立の比較では83%対17%であった。
5)臨床工学技士数
施設に技士が何名在籍しているかでは、21〜25人の回答が多かった。
今回は個人へのアンケ−トなので、施設単位の技士数の把握はされていない。
また技士数が少ない施設からの回答が多数を占めていた。
6)入院病床
入院病床では、20〜200床の中小規模の病院が多く、
次いで無床診療所、有床診療所、大規模病院の順であった。
7)透析床
50床以下、50〜100床、101〜150床の3つに大別された。
)透析患者数
9)生命維持管理装置
人工呼吸器は過半数の施設に設置されていたが、人工心肺装置や高気圧酸素はわずかであった。
10)業務部門
平成10年度の資料と比較したところ透析以外の業務拡大が認められた。
11)一日の針刺し回数
回路内薬液注入と採血を含む針刺し回数は10回以下と11〜30回に大別された
12)針刺し事故の経験
針刺し事故は約80%が経験していた。
13)一日の針刺し回数と事故回数の関係
針刺し回数と事故回数には相関が認められた。
14)業務経験年数と事故回数の関係
経験年数と事故回数には相関が認められた。
15)針刺し事故の状況
リキャップ時が最も多く、次いで血液回路の管注や採血、穿刺の順であった
16)針刺し事故の原因
原因の多くは不注意によるものであった。
17)針刺し事故後の処置
18)針刺し事故後陽転しましたか
HBs陽性者1名であった
19)針刺し後発症しましたか
B型肝炎の発症が2名であった。HBs陽性者が1名であるが
発症が2名の理由は針刺し事故後の検査を行っていないことが推察される。
20)HBs抗体陰性スタッフのワクチン投与
全員と希望者を合わせると83%がワクチン投与を受けていた
21)リキャップの方法
22)針の廃棄方法
その他として、針にキャップをしたままシリンジを分離するなどがあった
23)血液回路への管注や採血方法
24)感染(安全)対策委員会の設置及び開催
感染対策委員会は5年以内の設置が過半数で、また開催は年12回行うが77%の多数を占めた。
25)感染対策マニュアルはありますか
ほとんどの施設にマニュアルは整備されていた。
26)針刺し事故防止対策および考え
・ニ−ドルレス回路の試用、使用
・リキャップの検討、禁止
・安全対策などスロ−ガン(ポスタ−)の掲示と意 識徹底
・針刺し行為時は集中する
・キャップ・針・シリンジを分離せずに捨てる
・基本的にリキャップは禁止
・各コンソ−ルに置いてある針捨てボトルにシリン ジごと廃棄する
・穿刺針をクランプキャスに換え、接続時は慎重に 行う
・安全なリキャップや廃棄方法の指導